MarCalmaのtoccoです。
コアラの動画から派生して。
前回書いたように、コアラが好きで、動画を見て癒されているのだけれど。
ある日、コアラが別の動物園にお引っ越しする動画を見て、勝手に胸を痛め、途中で動画を見るのをやめてしまった。
引っ越しが決まっているコアラにとっては、その日はなんの前触れもなくやって来る。やさしく捕まえられるものの、いつもと違う雰囲気で体重など計られ、真っ暗なコンテナに入らなければならない。そして、新しい動物園に着くまでの間、何時間かずっとそこにいなければならない。
人間なら、普段、旅行でなくてもどこかに移動するときは、自分の意思で、自分が何のためにそこに行くのかもわかっている。移動中も、自分の目や耳などで景色や場所の移り変わりを認識できる。
でも、動物にはそれがかなわない。
動物の本当の気持ちはわからないけれど、きっと、あまりにも突然のことでビックリしたり不安になったりするのではないだろうか。車などでの移動中は、きっと今まで聞いたこともない音や振動をわけもわからず経験するのかもしれない。なんて心細いんだろうか。
動画を途中で止めた後、そんなことを考えて一人ざわざわし、夜寝る時にも悶々とした。
しかし、よくよく考えると、人間だって同じ経験をしていたりする。
思わぬ出来事やショックなことが起こって、一瞬にして、またはじわじわと、自分が暗闇に連れていかれることがある。暗闇にいる間は、いつこの暗闇から自分が抜けられるのだろうか、と不安にもなる。
ただ、心象的なまっ暗闇を抜けると、また新たな景色が目の前に広がる。そして、その暗闇を経験した上での新しい生活が始まる。
わけもわからず真っ暗なコンテナの中で移動したコアラが、違う土地に着き、新しい動物園できっとまた愛されながら生活していくように。
