MarCalma~マールカルマ~

フラメンコとヨガと日々思うこと@名古屋

価値観と違和感

MarCalmaのtoccoです。

以前、男性が女性に重い荷物を持たせるという光景を見て。

日本の旅館のエントランスにて。
女性従業員が、地面に転がしてるキャリーバッグと肩にかけた旅行バッグを持った男性客に小走りに駆け寄った。
お荷物お持ちします、と言われ、少しうれしそうな顔をしたその男性のすぐ後ろには、一緒の女性客がいた。その女性も重そうな大きなバッグを肩にかけていた。

あなたが男性なら、どうしますか?

私が男性なら、自分の荷物ではなく、一緒の女性の荷物を持つようその女性従業員に促すだろう。その考えは、私が少し欧米寄りの考えだからかもしれない。

実際の光景は、私の考えとは違った。その男性は、今まで地面を転がしていた自分のキャリーバッグと肩にかけていたバッグを、その女性従業員に手渡した。
その男性と一緒の女性客はというと、疲れた顔をして相変わらず重い荷物を持ったままだった。

お客様もお持ちしましょうか、とその女性客にも声をかけた女性従業員の手と肩は、既にその男性客の荷物でずっしりと占められている。これ以上持たせるのは…と諦めの笑顔で、その女性は申し出を断っていた。

私はそれを見て、その男性のほんとのところを垣間見たように感じ、その女性客を気の毒に思った。
一緒に旅行するくらい仲の良い女性を大事に思えない男性なのだろうか。
そういう男性は日本にはきっとまだ多いんだろうから、仕方ないのだろうか。


しかも、その女性従業員は、今まで男性が地面に転がしていたキャリーバッグを、地面を転がさずに、なんと手で持って運び始めた。きっと重い。客の荷物だから丁寧に、ということか。

結局、その3人の中では一番筋力があるであろうその男性は一番身軽になり、その脇で、男性より筋力の弱い女性達が重い荷物を持つ、という図が目の前に表れた。

なんだろう…これ。
すごくモヤモヤ。違和感でいっぱいになった。

男女差異における価値観は、日本にも欧米にもある。
日本には昔から男尊女卑という考え方が、欧米ではレディーファーストや騎士道という概念が、基盤にある。
時代と共に変容していると思われるが、このどちらの考え方も、男女を切り分けてはいる。が、その切り分け方の由来は異なる。


日本に脈々と続く男尊女卑は、漢字のごとく、家父長制で一家の大黒柱となる男性は尊ばれ、女性は卑しまれてきた。
一方、欧米のレディーファーストは、もともとキリスト教由来のものだ(諸説あり)。男性は女性をいたわることが至極当然のマナーとして定着している。そのため、欧米では、どんな立場の違いなどがあっても、男性がクソ重い荷物を女性に平気で持たせることはない(おそらく)。

欧米か!と言われるかもですが(古くてごめんなさい)。

シンプルに考えて、男性が50%の力で持ててる荷物を、あえて女性が踏ん張って100%Maxに近い力で持たなくていい、と思ってしまう。

もちろん、その逆もある。
男性が苦手に思うことを、女性が得意であれば、する。

つまり、その負担が少ない方がすれば、お互い居心地がよくなるしモヤモヤがなくなるのになあ、と思う。

 

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