MarCalmaのtoccoです。
自分の昭和感について、恥ずかしく思った話。
19世紀のフランスに、ジョルジュ・スーラ(Georges Seurat)という点描画を描く印象派の作家がいた。彼は、色を面で塗るのではなく、点で置いた。彼の絵のその点ひとつひとつは、気が遠くなるほど小さく緻密で、色彩も、息をのむほど繊細だ。
東京の上野で、その彼の絵を間近で見たことがある。見事に並んだ色の点達から生み出された、一枚の柔らかな色彩の絵は素晴らしかった。
その絵を観た瞬間、私は何故か懐かしさや親近感を抱いた。
スーラの絵と、自分の記憶の中の庶民的なものとが、図らずとも結びついてしまって、戸惑った。
昔ながらの銭湯の浴場正面にどーんとある、超細かなモザイクタイルで作った風景画(富士山とか)を思い出したのだ。
銭湯の風景画も、モザイクタイルという色のついた小さなタイル達を貼りつけていって、絵を完成させる。
だけれども。
スーラの点描画と、銭湯のモザイクタイルの風景画を結びついてしまうなんて、つくづく、自分が昭和生まれの日本人だと呆れた。