MarCalmaのtoccoです。
私が読んだ本をご紹介するコーナー。
題名:きみの体は何者かーなぜ思い通りにならないのか?
著者:伊藤亜紗
出版社:筑摩書房
この本は、話すという行動において、自分の意思よりもはるかに多くのことが体の中で起こっていることを紹介している。
中高生向けに書かれた本だが、読んでみて、自分の意思とは裏腹に思い通りにならない自分の体について、愛おしさを感じることができた。この本の著者は吃音があるとのことで、何故吃音という現象が生まれるのかを例に出している。
この世には、朗々と延々ととめどなく、どんな人ともしゃべり続けることができる人達がいる一方で、私のように、話すのに時間や期間がかかる人達もいる。
この本で、著者の伊藤さんによると、吃音になる条件としては「誰かに」話すときだそうで、独り言のときにはどもらないそう。わかる。自分のポテンシャルを発揮できるほどにその人と話せるようになるにはかなりの期間が必要な私には、とても納得できる。TPOだけでなく、その人といくら親しくてもその場の空気感に適した表現かどうか、質問にちゃんと応えられているか、など、話すときに意識しないといけないことが山積みだ。しかも、言ってしまったことは、覆水盆に返らず。リセットできない分、なんだか緊張も伴う。一発勝負的な感もある。しゃべることは、とても高度なことなのだ。
この本では、例として、しゃべることが挙がっている。では、文字を書くときは?踊るときは?など、いろんな自分の行動について、自分の体がいちいち行っていることに思いをはせて言語化していくと、自分の体の働きぶりに改めてありがたさを感じる。