MarCalmaのtoccoです。
先日、豊田美術館で開催中の ゲルハルト・リヒター展 に行ってきました。
早く観たいと焦りつつ、コートや荷物などをロッカーに入れ、いざ。。。
とってもゆっくり観られて、リヒターの世界で満たされました。
リヒターと言えばabstract paintingが有名ですが、この展覧会では、画業60年の集大成として、リヒターの多岐に渡る作品が展示されています。
人物や風景、静物画は、激しいabstract paintingとは対照的な、静かで優しく繊細な風情。意外でした。
また、ドローイング(drawing)の美しいモノクロの世界にも引き込まれました。
この展覧会のハイライトのひとつともいえる ビルケナウ という作品は、ナチスドイツ時代のアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所の中で秘密裏に撮られた4枚の写真をもとにしています。
この写真は展覧会唯一(多分)の撮影禁止のため、監視スタッフさんが近くにいます。しかし、この写真を見た途端、涙が止まらなくなりました。いい年をした大人が、公衆の面前で泣くものではないと思うものの。
ドイツ人であるリヒターは、この作品の完成に長い年月がかかったとのこと。
この強制収容所での写真にかぶせるようにabstract paintingが施されていることは、パッと見ただけではわからないです。しかし、この作品からのオーラは、痛みや重さ、受け入れなければならない悲しさを強く感じるものでした。
展覧会の最後には、2022年の作品。こちらです。
リヒターは90歳になるそう。昔でなく、今、同じ時代に生きているんだなあ。。
東京でも同じ展覧会が開催されたとのことですが、今回、豊田市美術館で観られたこと、幸せでした。